メマツヨイグサの効果効能、副作用 PMSやADHDには効果なし?

メマツヨイグサオイル 種子油

メマツヨイグサの概要

メマツヨイグサ 概要

メマツヨイグサ あかばな科[マツヨイグサ属]

メマツヨイグサは別名オオマツヨイクサとも呼びます。直立性の2年草ハーブで北米に自生します。黄色で4枚の花弁をもつ花で、夕方に咲きます。

夏には夜薰る黄色い花が咲き、小さい種子が入った、毛に覆われたさやができます。この種子からメマツヨイグサ油を得ます。

一方、マツヨイグサ(待宵草)は南米チリ原産の多年草で、日本でも各地に分布し、花期は5〜8月。使用部分は根ですが、日本産のものはほとんど薬用にされることはありません。中国では待宵草として、結実期の夏から秋に採集し、乾燥させて使用します。根にはブドウ酒様の香気があります。

メマツヨイグサオイル(種子油)

メマツヨイグサオイル(EPO)は安全なサプリメントで、糖尿病性神経障害、関節リウマチへの利用についてはエビデンスがあります。乾癖、ほてり、月経前症候群への作用ははっきりしていません。湿疹への効用については成績にばらつきがあります。

メマツヨイグサは種子油にγ‐リノレン酸を豊富に含みます。γ‐リノレン酸はプロスタグランジン系の調節に必要でアレルギーや炎症、ホルモンなど生体内の様々な機能に影響を与えるため、その効果も幅が広い。

効果が期待されている作用として月経前症候群(PMS)やアトピー、注意欠陥多動性障害の症状の軽減などがあげられますが、科学的に効果がないとの指摘もあります。

また、日本で市販のツキミソウ油と呼ばれるもののほとんどは実際はマツヨイグサやメマツヨイグサです。

メマツヨイグサの成分

■メマツヨイグサの主な成分■
メマツヨイグサの花に精油を含みます。全草および種子の抽出オイルにはγ‐リノレン酸(γ‐linoleinic acid、GLA)、」不飽和脂肪酸が含まれます。花のがくと根にはサポニンを含みます。

種子オイルは65〜80%のリノール酸と、7〜14%のy-リノレン酸を成分とする不揮発性オイルを24%含みます。

メマツヨイグサの効果効能

メマツヨイグサ 効果 効能

メマツヨイグサの効果効能として報告されているもの一覧を紹介します。

■メマツヨイグサの効果効能一覧■
「抗凝血、心臓、冠状動脈疾患、高血圧、狭心症、脳卒中、胃腸の不調、疼痛、頭痛、パーキンソン病、レイノー病、鎮静、鎮痛、月経前症候群、PMS、更年期、乳房痛、アルコール性肝臓障害、ニキビ、発疹、リウマチ、アトピー性皮膚炎、爪、皮膚乾燥、疥癖、皮膚炎、収れん、筋肉、咽頭炎、百日咳、喘息、注意欠陥多動性障害、ADHD、減量、肥満、かぜ、エイズ、シェーグレン症候群、間欠性跛行、アルツハイマー病、がん、慢性疲労症候群、CFS、口渇、解熱、多発性硬化症」

メマツヨイグサオイルは血液凝固抑制効果があるとされ、冠状動脈疾患、高血圧_、狭心症、脳卒中予防に摂取する、オイルは高血圧に効果があるとされます。

メマツヨイグサオイルは高コレステロール血症、心臓血管疾患、間欠性跛行に対して用いられる等の報告があります。

月経前症候群(PMS)で悪化する過敏性大腸炎に対して、メマツヨイグサオイル摂取はおそらく有効でないと示唆されています。

伝統的に全草の浸剤を胃腸の不調に用い、メマツヨイグサオイルは潰瘍性大腸炎、過敏性大腸炎、胃潰瘍などを含む胃腸の不調に対して用いられる等の報告があります。

メマツヨイグサオイルにはフェニルアラニンを含み、疼痛や慢性的頭痛を軽減するのに用いられる、パーキンソン病の震えの改善に用いられる、オイルはレイノー病に使用される、オイルはアルツハイマー病、統合失調症、糖尿病による神経障害に用いられる、伝統的に全草の浸剤を鎮静薬、鎮痛薬として用いる等の報告があります。

メマツヨイグサオイルはアレルギー体質改善に効果があるとされるとの報告があります。

メマツヨイグサオイルは乳房痛に対し経口でおそらく有効との報告があります(この用途の有益性は不明であるとする反論があります。)

月経前症候群(PMS)の症状軽減には、経口でおそらく無効であることが、二重盲検ヒトRCT、システマティックレビューなどにより示唆されています。しかし、メマツヨイグサオイルは月経前症候群(PMS)に対して有益である可能性が高いとの説もあります。

メマツヨイグサオイルを月経前症候群、更年期障害に使用する、英国ではオイルを乳腺痛、月経前症候群(PMS)の治療に臨床で用いる等の報告があります。

アルコール性肝臓障害に摂取する、オイルはアルコール中毒、二日酔いに対して効果があるとされるオイルはアルコール中毒に用いられる等の報告があります。

オイルはリウマチ性関節炎に対し経口でおそらく有効と考えられます。

メマツヨイグサオイルをニキビ、発疹、リウマチ性関節炎、もろくなった爪、神経皮膚炎、アトピー性皮膚炎、乾癬に対して用いる、オイルを外用薬で皮膚乾燥、疥癬、皮膚炎に用いるなど皮膚に対する効果が指摘されています。

メマツヨイグサオイルをアトピー性湿疹の治療に臨床で用いることがあります。英国ではこの用途で認可もされています。

アメリカ先住民はオイルを外傷やおできなどに外用してきた歴史があり、オイルは美肌効果があるとされ、伝統的に全草の浸剤を収れん薬、外傷の治癒を早めるパップ剤として用いるとの報告があります。

伝統療法のひとつとして、根を筋肉に擦り込むと、運動選手の能力向上につながる等の報告があります。

煎じて咽頭炎に摂取する、伝統的に全草の浸剤を喘息による咳の抗痙攣、百日咳に用いる、オイルは喘息やゼイゼイする咳に対して用いられる等の報告があります。

ドイツのコミッションでは、呼吸器系のカタルに対してメマツヨイグサの花と根の使用が承認されています。

極度に落ち着きのない子供、または注意欠陥多動性障害(ADHD)に用いるとの報告があります。

γ‐リノレン酸が褐色脂肪細胞を刺激するといわれ、減量によいとされます。

メマツヨイグサオイルは痩身に効果があるとされる、オイルは肥満に対して、あるいは減量目的で摂取される、トリブトファンが含まれるので、セロトニンのレベルを上げ、食欲をコントロールするために用いられる等の報告があります。

煎じて感冒に摂取する、エイズウイルス感染者に用いる等の報告があります。

がん、悪性新生物 ・オイルはがんに対して用いられるとの報告があります。

シェーグレン症候群による口渇に利用されるとの報告があります。

メマツヨイグサの根は解熱薬となる、多発性硬化症に摂取するとの報告があります。

慢性疲労症候群(CFS)に対する効果は報告がありますが、不明です。

メマツヨイグサの副作用・毒性

メマツヨイグサ 副作用 毒性

メマツヨイグサの副作用・毒性などの危険性は以下の通りです。

■メマツヨイグサの副作用・毒性一覧■
メマツヨイグサには重大な副作用は報告されていません。適切に使用する場合、概ね安全に摂取することができるハーブです。

副効果に頭痛、吹き出物、吐き気、悪心、消化不良、軟便の例があります。花の副効果として胃腸の不快感と吐き気が時々起こる可能性があり、根の副効果として胃痛と吐き気が時々起こる可能性があります。

てんかん患者には不適です。てんかん患者にメマツヨイグサ油を用いるとまれに、発作を引き起こすと報告されています。

メマツヨイグサには妊娠中の合併症(破水の遅れ、オキシトシン[陣痛促進ホルモン]増大など)のリスクを高過剰摂取める可能性があるので、避けるべきです。

授乳中にメマツヨイグサのオイルを摂取すると、乳汁により多くのγ‐リノレン酸が分泌されることがありますが、授乳中メマツヨイグサを経口で適切に使用する場合、安全であろうと考えられます。

メマツヨイグサの花に対するアレルギーも知られています。

抗凝固、抗血小板効果のある薬剤やハーブとの併用は理論的に出血などの可能性があるため、避けるべきです。

メマツヨイグサのオイルと麻酔の併用での発作が一例報告されています。また向精神薬のフェノチアジン系薬剤をなど投与されている統合失調症(精神分裂症)患者でのメマツヨイグサとの併用での発作がいくつか報告されているので、注意を要します。

食品との相互作用は報告がありません。

メマツヨイグサの研究・エビデンス

メマツヨイグサ 研究 エビデンス

研究①PMSの症状軽減

①いくつかの小規模な二重盲検臨床研究で、プラセボと比較して有意差が見られなかった。②少数のランダム化比較試験を統合した1件のシステマティック・レビューの限定的実証によれば、PMSに対してメマツヨイグサ油にわずかな有益性がある可能性が示唆されています。③1981年ロンドンでの65名のPMSの患者にメマツヨイグサのオイルで治療したところ、61%で症状が完全に解消され、23%で一部症状が緩和したなどの報告があります。

研究②アトピー性の湿疼

①4〜12週間の摂取でアトピー性湿疫の諸症状、中でもかゆみが軽減された臨床研究があります。②1982年医学雑誌ランセットでの報告では99名の湿疹患者に対し、二重盲検の臨床研究を行った結果、高濃度のメマツヨイグサオイルを摂取した被験者中43%に湿疹の改善が見られた③60人のアトピーの子供に対して16週の試験を実施した結果、有効性、効果は認められなかったなどの報告があり、有効性、効果は認められていないとの報告もあります。

研究③リウマチ性関節炎

①6ヶ月の治療で有意にリウマチ性関節炎の症状を緩和しました。②1987年グラスゴーでの研究で、慢性関節リウマチの患者にメマツヨイダサのオイルを処方したところ、60%の患者で一般治療薬の服用を止めることができた。この治療に魚油を加えた患者ではさらによい結果が得られたなどの報告があり、有効性、効果が示唆されています。

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