エキナセア(エキナケア)の効果効能、副作用 風邪や免疫力アップに

エキナセア(エキナケア)風邪 免疫力

エキナセア(エキナケア)の概要

エキナセア(エキナケア)

エキナセア(エキナケア)(紫)

エキナセア(エキナケア)。別名はムラサキバレンギク、パープルコーンフラワー、プルブレアなどとも呼びます。きく科(ムラサキバレンギク属)。ハーブティーなどに用いられます。のど飴やトローチに配合されていることもあります。

エキナセア(エキナケア)は北米先住民族が主として外傷の手当てに使用してきたハーブであり、ヒンズー教アーユルヴェーダもこれを取り入れています。

今日ではエキナセア(エキナケア)は西欧では循環器系、リンパ系、呼吸器系の効果的な解毒薬のひとつとみなされており、適切に摂取すれば安全であり感染症に対する抵抗カを上げる効果は科学的にも立証されてきています。

エキナセア製剤は1種類ではなく、異なる植物、異なる部位から、異なる抽出法にて製造された200種類以上の異なる製剤があります。

エキナセア(エキナケア)は観賞植物としても用いられ、デイジーに似て、紫、濃い桃色、ときに白、黄色、赤色の花をつけ、突起した中心球果をもち花弁は舌状花で下を向きます。

使用部分は根(エキナセア根)、根茎。必要時に根を掘り上げ、水洗い後、ひげ根を除いて日干しにします。アメリカのミネソタ州からテキサス各州、カナダのサスカチュワン州に分布します。多年草で高さ60cm〜1m、根は円筒状に肥厚し、わずかにらせん状、花期は6〜10です。

エキナケア

エキナセア(エキナケア)(白)

エキナセア(エキナケア)の成分

■エキナセア(エキナケア)の主な成分■

エキナセア(エキナケア)の成分は、精油(フムレン、カリオフィレン)、カフェ酸誘導体、アルキルアミド、配糖体エキナコシド(echinacosides)、多糖類、ポリアセチレン、イソブチルアルクラミン、樹脂、ベタイン、イヌリン、セスキテルペン、ヘテロキシラン(heteroxylan)、アラビノガラクタン(arabinogalactan)、チコリ酸(chicoric acid)、エキナシン(echinacin)などです。

エキナセア(エキナケア)の効果効能

エキナセア 効果 効能

エキナセア(エキナケア)の効果効能として報告されているもの一覧を紹介します。

■エキナセア(エキナケア)の効果効能一覧■

「消化、片頭痛、免疫力、抗菌、感染症、アレルギー、リウマチ、前立腺炎、尿路感染、利尿、皮膚疾患、ヘルペス、ニキビ、乾癬、外傷、痔、刺し傷、咬み傷、関節炎、風邪、真菌感染、敗血症、ウイルス、扁桃炎、鼻腔カタル、咳、歯肉炎、腫瘍」

エキナセア(エキナケア)は消化不良に効果があるとの報告があります。

エキナセア(エキナケア)は片頭痛、痛みに効果があるとの報告があります。

エキナセア(エキナケア)は免疫機構を刺激し、治癒を促進する、免疫賦活薬として摂取される、白血球や、脾臓の細胞を増やし、顆粒球の貪食能を活性化し、体温をあげるという作用機作で抵抗カを上げる、エキナセアの種と部位を問わず、免疫刺激成分が存在することが示された、組織培養物から分離された酸性アラビノガラクタンはマクロファージを刺激し、インターロイキン1とインターフェロン(インターロイキン6)を産生し、T細胞の増殖を微増し、さらに腫瘍細胞などへの細胞毒性を活性化する、アレルギーに効果があるとの報告もある、リウマチに効果がある等の報告があります。

エキナセア(エキナケア)は生殖器の感染症に効果があるとの報告があります。

エキナセア(エキナケア)は尿路の慢性的感染に摂取する、慢性あるいは実験的腎炎での尿タンパクの減少、利尿効果がある、前立腺炎に用いられる等の報告があります。

エキナセア(エキナケア)は皮膚疾患に摂取する、外傷、腫れ物、(慢性)膿瘍などに有効である、おでき、膿瘍、外傷、皮樹潰瘍、湿疼、乾癬、ハチの刺し傷、痔、単純へルペス、やけどに外用薬で用いられる、外用で奪麻疹のかゆみを和らげ、刺し傷、咬み傷にもよい治療薬となる、伝統的にへビや他の有毒動物に咬まれた時や虫刺されに用いられてきた、また、壊疽、古い潰瘍にも用いられた、多発関節炎(リウマチ性関節炎など)に効果がある等の報告があります。

エキナセア(エキナケア)は試験管内試験で軟骨組織伸張促進効果があるとの報告があります。

エキナセア(エキナケア)は扁桃炎や咳の初期症状、鼻腔カタルに摂取する、鼻粘膜の乾燥に効果がある、風邪や呼吸器の感染に摂取する等の報告があります。

エキナセア(エキナケア)の抗菌効果は証明されており、感染症を抑える働きの白血球の産生を促し、さらに成分中の多糖が抗ウイルス活性を示すことが報告されている、分離された成分または植物体抽出物は、ある種の菌に対して細菌発育阻止活性を示すと報告されている、抽出物は、脳心筋炎、小水疱性口内炎、インフルエンザ、ヘルぺスポリオウイルスに対し、インターフェロン様の間接的な抗ウイルス活性を示した、風邪、真菌感染、敗血症など感染症に対する抵抗カを上げる、腺熱(伝染性単核(球)症)やウイルス感染後症候群(筋痛性脳脊髄炎)といった疾患への治療効果が期待されている、抗菌性があり、風邪やインフルエンザなど感染症の予防と治療気管支炎、尿路感染症に対する効果が認知されている、尿路感染症を含む各種感染において、免疫活性化剤として用いられる、カンジダ感染症に用いられる等の報告があります。

エキナセア(エキナケア)の風邪などの上気道感染の治療に対する有効性、効果を示唆するヒト試験が蓄積されています。上気道感染症に対する有益性は、治療、予防ともに不明です。

エキナセア(エキナケア)は腫瘍細胞にも有効といわれるとの報告があります。

エキナセア(エキナケア)は歯・口腔内・歯肉の炎症に効果があるとの報告があります。

エキナセア(エキナケア)から分離されたいくつかのポリフェノールは酸素ラジカルによるコラーゲン分解を減少させます。このことから、エキナセア抽出物は紫外線照射による皮膚の光損傷を防ぐのに有効であろうといわれています。

エキナセア(エキナケア)の副作用・毒性

エキナケア 副作用 毒性

エキナセア(エキナケア)の副作用・毒性などの危険性は以下の通りです。

■エキナセア(エキナケア)の副作用・毒性一覧■

エキナセア(エキナケア)は適切に使用した場合、安全に摂取することができる。適切に短期間使用する場合、経口でほぼ安全です。ただし、副作用が全くないわけではありません。

エキナセア(エキナケア)の副作用としては、アレルギー症状(奪麻疹、結節性紅斑、急性喘息、呼吸困難、アナフィラキシー、血管浮腫)や発熱、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、喉の痛み、めまいが起こることがあります。アレルギー症状はまれですが、アトピーの人はエキナセアに対し、より感受性が高いと考えられます。また、キク科の植物にアレルギーの人はエキナセアにも過敏である可能性があります。

経口摂取では、味のまずさが最も共通した有害事象ですが、皮膚アレルギー反応もみられます。

コミッションE(ドイツのハーブ承認委員会)においては、エキナセア(エキナケア)の使用限度期間を8週間としています。これはすべての使用部位に適応されます。妊娠中は短期間ならばおそらく安全ですが、授乳中の安全性についてはデータが十分でないので使用を避けることとされています。

コミッションEにおいては、すべてのエキナセア種に関して、エイズ、HIV感染症および他の自己免疫疾患の全身性疾患に用いるべきではないとしています。

エキナセア(エキナケア)の過剰摂取は咽喉の炎症の副作用を起こすことがあります。

エキナセア(エキナケア)を経口で使用する場合、進行性の全身性疾患、例えば結核や白血病、膠原病、多発性硬化症などには禁忌です。

アレルギー傾向があったり、妊娠している場合は、エキナセア(エキナケア)の経口摂取は避けるべきです。治療試験、予防試験以外でエキナセアによるアナフィラキシーが報告されています。

エキナセア(エキナケア)はチトクロームP450の効果を阻害することが示唆されています。ヒトではまだ報告がないですが、この酵素によって代謝される薬物との併用は避けるか注意することとされています。

研究・エビデンス

研究 エビデンス

研究①風邪

599名のうち、風邪をひいた246名を対象とした二重盲検ランダム化比較試験の結果、エキナセア製剤を1日3回、7日間を限度として体調が回復したと感じるまで摂取したところ、有意に症状が改善しました。16件のベ3,396名を対象としたランダム化比較試験の結果、大部分はエキナセアの風邪に対する有効性、効果が認められました。しかし特定のエキナセア製剤が風邪の予防や治療に有効であると結論するには根拠は不十分であったといいます。また、最近行われた二重盲検試験では、エキナセア根のエキスを450mg/日投与すると、インフルエンザの症状を顕著に緩和し、罹患期間を短縮することが示されたという報告があります。

研究②風邪予防

複数のランダム化比較試験から、いくつかのエキナセア製剤が、風邪の治療と予防にプラセボよりも効果があるという可能性を示す限定的な科学的根拠が見つかりましたが、通常の風邪の治療と予防に特定のエキナセア製剤を推奨するだけのヒトでの十分な科学的根拠は見つからなかったとのことです。

研究③免疫

エキナセア(エキナケア)の免疫調節機能に対する体系的比較臨床試験では26の対照試験が対象となっている(18は無作為、11は二重盲検)。19試験が感染症の予防あるいは治療で、4試験は癌治療に伴う副作用、3試験は免疫機能への影響をみたものです。その結果、34試験中30試験で有効性が述ベられていますが、方法論に問題を残すとの声もあります。

研究④有害事象(副作用・アレルギー)

エキナセアの摂取に基づく有害事象としてアナフィラキシー4例、急性喘息12例、蕁麻疹・浮腫10例がオーストラリア医薬品副作用情報諮問委員会に報告されました。委員会が評価した5例中3例に皮膚プリックテスト(抗原抽出液による単刺試験)陽性を示しました。