ツボクサの効果効能、副作用 やけど・傷の治療や高血圧にも

ツボクサ 皮膚 治療 高血圧

ツボクサの概要

ツボクサ 葉

ツボクサの葉

ツボクサ(別名ゴツコーラ、ゴツコラ、セキセツソウ、レンセンソウ)せり科[ツボクサ属]

(英)Gotukola、Indian pennywort

ツボクサはインドの伝統医学アーユルヴェーダで用いられてきた、強壮作用のある毒性の少ないハーブです。ハーブティーやサプリメントとして利用されるほか、美容液やクリーム、洗顔料などの化粧品に配合されていることもあります。

アフリカ、オーストラリア、アジア、中米、南米、北米南部などが原産の細い蔓草状の多年生ハーブで長い匍匐性の茎を有します。特に、インド、スリランカ、パキスタン、イランの沼沢地に多く自生します。日本では本州関東地方南部、新潟県以西〜沖縄に自生します。朝鮮半島、台湾、中国にも広く分布します。

葉は円形、腎臓のような形で直径4cmになります。全草を採集し乾燥します。水辺や湿地、標高700mまでの湿った岩地に育ち、花期は5-8月です。

葉は生でも調理しても、また茶としても用いられます。タイでは、水と甘味料を加えて、ジュースとして用います。

インドでは治療と瞑想へ導く薬として使用されてきましたが、現在では皮膚への効果がとくに注目されています。研究の結果、傷跡を薄くし、下肢循環不全を軽概要減し、治癒を早める効果があることがわかってきています。

このように皮膚の健康に対する効果を期待して、医療だけでなく、化粧品などにも利用されています。皮膚への効果はコラーゲンを増加させる効果があるためとされます。

ツボクサの成分

■ツボクサの主な成分■
ツボクサの主な成分はアシアチコシド(asiaticoside)、オキシアシアチコシド(oxyasiaticoside)、ブラーモシドなどの、不定量のトリテルぺノイドサポニン類、多種のサポゲニン類、精油、配糖体などです。

ツボクサの効果効能

ツボクサ 効果 効能

ツボクサの効果効能として報告されているもの一覧を紹介します。

■ツボクサの効果効能一覧■

「静脈不全、静脈瘤、貧血、高血圧、腹痛、下痢、消化、経衰弱、精神障害、全身性エリテマトーデス、無月経、皮膚潰瘍、組織障害、外傷、やけど、ケロイド、喘息、胸膜炎、呼吸器感染、日射病、ハンセン病、胃炎、胃潰瘍、内痔核、記憶カ、トラウマ、てんかん、催淫、糖尿病、尿路感染、肝炎、黄疸、解毒薬、乾癖、真菌症、皮膚疾患、咬み傷、象皮症、リウマチ、抗炎症、疲れの解消、老化」

ツボクサは慢性の静脈不全症に対して経口摂取の有効性、効果を示唆する報告があります。

ツボクサは静脈瘤に用いられる、貧血に経口で用いられる、高血圧に経口で効果がある等の報告があります。

ツボクサは腹痛、下痢、消化不良、胃炎、胃潰瘍に対して効果があるとの報告があります。

ツボクサは外用薬として内痔核に対して有効等の報告があります。

米国ではツボクサの葉および葉の種々の処方剤が、錠剤、カプセル、チンキ、標準エキス、お茶などの形で、ダイエットサプリメントとして記憶カの向上に用いられる、記憶喪失に用いられる、精神カの維持に役立つと報告されています。

インドではツボクサが知的機能の向上、記憶の改善に民間療法で用いられる、中枢神経抑制効果、抗うつ効果、鎮痛効果などが報告されています。

インド北部ではツボクサ全草を煎じたものを無月経に兩いる、無月経に対して用いられる、催淫薬として用いられる等の報告があります。

中国の民間療法では、ツボクサの地上の草茎部全体を煎じたものが感染性肝炎、黄疸に用いられている、肝炎、黄疸に対して用いられる、ヒ素中毒や毒キノコ中毒の解毒薬、へビの咬み傷、疥癬、外傷、帯状へルペスにパップ剤として用いられている等の報告があります。

中国の民間療法では、ツボクサの地上の草茎部全体を煎じたものが胸膜炎、呼吸器系の感染症に用いられている、胸膜炎に対して用いられる、喘息に用いられる等の報告があります。

中国の民間療法では、ツボクサの地上の草茎部全体を煎じたものがかぜや呼吸器感染症、感染性肝炎の治療に用いられている、単純へルペス、性病、マラリアに用いられる、かぜやインフルエンザに対して用いられる等の報告抗ウイルスがあります。

中国の民間療法では、ツボクサの地上の草茎部全体を煎じたものが扁桃炎、日射病に用いられている等の報告があります。

ツボクサはトラウマや精神障害、てんかん、神経衰弱に効果がある等の報告があります。

ツボクサは全身性エリテマトーデスに用いられるとの報告があります。

ツボクサは糖尿病に用いられるとの報告があります。

ツボクサは尿路感染症に対して用いられるとの報告があります。ツボクサは外用薬として、外傷に有効である、エキスおよび軟膏は、潰瘍による組織障害、外科手術後の皮膚表層の傷の治癒に、やけどの治療において傷ついた組織の肥大防止に臨床で用いられている等の報告があります。

ツボクサは乾癬に対して外用で有効性、効果を示唆するヒト試験が報告されています。

ツボクサは一般的に外傷や潰瘍、硬皮症、慢性皮腐疾患に使用される、外傷、潰瘍、乾癬、真菌症、妊娠線、蜂巣炎などに対して外用で用いられるとの報告があります。

ツボクサ葉のエキスはハンドクリームやローション、ヘアーコンディショナー、シャンプー、化粧品に利用されます。

ツボクサエキスはコラーゲンを増加させ、皮膚を引き締めるために美顔パック、クリームに加える、ビタミンCとの組み合わせはコラーゲンの合成を刺激するとの報告があります。

ツボクサ葉のエキスに殺虫効果が報告されている、抗炎症効果が報告されている、疲れの解消に用いられる、長寿を目的に、老衰に用いられる等の報告があります。

ツボクサの副作用・毒性

ツボクサ 副作用 毒性

ツボクサの副作用・毒性などの危険性は以下の通りです。

■ツボクサの副作用・毒性一覧■

ツボクサは適切に使用する場合、安全に摂取することができるハーブですが、カナダでは規制により、非医薬品原料として経口製剤に使用することは禁止されています。

ツボクサには堕胎効果があるため、妊娠中の経口摂取は安全でないので注意しましょう。

授乳中の安全性については信頼できる十分なデータがないので、ツボクサの使用は避けた方が良いでしょう。

ツボクサの副作用はまれですが、胃腸の不調や吐き気、広範囲のかゆみ、光過敏症が起こることがあります。

ツボクサの過剰摂取で血圧、血糖値、コレステロールの上昇が起こる可能性がある頭痛、一時的な意識障害等の副作用を起こすことがあります。

ツボクサの外用では、接触性皮膚炎や灼熱感等の副作用が起こることがあります。

ツボクサ摂取にともなう肝障害発症の報告があります。

鎮痛効果のあるハーブやサプリメント、医薬品とツボクサの併用で理論的に鎮痛効果や副作用を強めることが考えられます。

理論的には大量のツボクサを摂取するとコレステロール低下薬や糖尿病治療薬の効果に影響を与えることも考えられます。

ツボクサはアレルギーに対する弱い感作物質です。まれに、接触皮膚炎が報告されていますが、ツボクサおよびその抽出物に対する感作性を獲得するリスクは小さいです。

研究・エビデンス

ツボクサ 研究

研究①慢性静脈不全

慢性静脈不全に対して有効性、効果を示す試験が複数あります。62名を対象とした4週間のオープン試験の結果、ツボクサのトリテルペン画分を摂取した群で、腫れや痛みが改善したとのことです。

研究②ハンセン病・潰瘍・やけど

アシアチコシドを一定量含むエキスおよび軟膏は、インドにおいてはハンセン病患者の穿孔性潰瘍による組織障害の治療に、ヨーロッパでは静脈炎後の患者への注入エキスにより足の潰瘍に、外科手術後の皮膚表層の傷の治癒に、2度から3度のやけどの治療においてケロイド形成に臨床で用いられ、成功しているとの報告があります。

研究③慢性アトニー

アシアチコシド含有量で規定した葉の抽出物は土に汚染された傷および慢性アトニー患者を対象とする臨床試験が実施され、20人の患者のうち、64%が完全に治癒し、16%に改善が見られたという報告があります。

研究④静脈性高血圧

静脈性高血圧患者52例、健常者10例にツボクサを2段階の用量で1日3回、4週間摂取。20例が60mg、他の20例が30mg、12例がプラセボを摂取。さらに、10例の健常者が60mgを摂取。4週間治療を続けたところ、用量依存的に有意な毛細血管透過性の減少(静脈閉塞の体積変動記録計による測定)、足関節浮腫および足関節周径の減少、静脈性高血圧に伴う諸症状の軽減がみられました。

研究⑤下肢静脈不全

下肢に静脈不全を示す20〜80歳までの患者94例(うち女性が86例)にツボクサの抽出成分を再構成した製剤を1日2回投与したところ、有意な効果が浮腫、下肢の浮腫に伴う症状、患者の全般的な改善評価でみられました。下肢静脈の伸展性が水銀ストレインゲージ(ひずみ計)をつけた体積変動記録による測定(カフで圧力をかけることによる下肢の体積の増加)によって認められました。プラセボと比較すると、ツボクサを投与した群では、下肢のだるさ、立位の下肢痛、その他全体的な評価において有意な改善を認めました。しかしこれらの3パラメーターに対して、60mgの摂取量ではプラセボ群を上回る有意な効果はみられませんでした。浮腫に対しては、両群ともプラセボ群に優る有意な効果がみられました。

研究⑥恐怖、不安、ストレス

患者40例のツボクサ(未加エの粉末12g)をグレープジュースに混ぜて1回摂取させた結果、聴覚性驚愕反応(ARS:大きな音に対する瞬目反応。恐怖、不安、ストレスによる疾患、不安を誘発する薬物によってこの反応は亢進する)が有意に低下しました。気分、心拍数に対する影響はみられませんでした。

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