プロポリスの効果効能、副作用 抗菌・抗炎症作用に優れる

プロポリス 抗菌 抗炎症作用

プロポリスの概要

プロポリス 概要

プロポリス(propolis)はポプラやユーカリ、針葉樹等の起原植物に由来する樹脂にミツバチが分泌液を混ぜてできた素材で、セイヨウミツバチの巣から分離します。

プロポリスすなわち“ミツバチのにかわ”は、ミツバチが巣をつくり、封をするときに用いる粘性のある樹脂性物質です。薬として用いられた歴史は古く、紀元前350年にギリシャ人は膿瘍に、アッシリア人は傷や腫瘍の治癒にプロポリスを用いていたとの記録があります。

現在でも外用では消毒や抗菌を主な目的に、経口では、結核など各種感染症、十二指腸潰瘍などの消化器疾患に対して用いられ、免疫賦活効果も期待されています。しかし外用以外の効果については、科学的な実証が十分でないという声もあります。

プロポリスは、食品衛生上、既存添加物として扱われます。その名称はプロポリス抽出物であり、ミツバチの巣から得られたフラボノイドを主成分とするものとされています。食品添加物としての主な用途は酸化防止剤です。

プロポリスは滋養強壮、体力増強などを目的として、サプリメントとして用いられます。化粧品に配合されていることもあります。

プロポリスの成分

ポプラやユーカリ、針葉樹等の芽に含まれる樹脂で、セイヨウミツバチの巣材として使われます。ハチの巣から分離するので純物質を得ることは難しく、ハチの巣の副産物が含まれることが多いです。

植物樹脂は、咀嚼されて(唾液酵素を取り込む)ミツロウと混ぜられます。この混合物は、穴を修理したり内壁をなめらかにするのに使われます。その構成成分は供給源によって異なりますが、通常は、樹脂と植物性パルサム50%、ミツロウ30%、精油および芳香油10%、花粉5%、その他5%です。

ミツロウに対する樹脂の割合はさまざまで、プロポリスがどのように使われているかによって、また地域によっても左右されます。プロポリスはヒドロキノン(0.1%)、カフェ酸とそのエステル(2〜20%)、ケルセチン(0.1〜0.7%以下)を含む。プロポリスはミツロウやハチミツにも含まれています。

■プロポリスの主な成分■
フラボノイド(ピノセンブリンpinocembrin、ガランギンgalangin、ピノバンキスキンpinobankiskin、酢酸ピノバンスキンpinobankskin-3-acetate)

プロポリスの効果効能

プロポリス 効果 効能

プロポリスの効果効能として報告されているもの一覧を紹介します。

■プロポリスの効果効能一覧■

「消化性潰瘍、ピロリ菌、ヘルペス、抗炎症、結核、細菌感染、真菌感染、駆虫、かぜ、外傷の洗浄、うがい」

ピロリ菌による消化性潰瘍にプロポリスが経口で効果があるとの報告があります。

2型単純へルベス(HSV-2)感染の再発生殖器の治癒に3%プロポリス軟膏塗布の有効性、効果を示唆する報告があります。

プロポリスが傷の洗浄に用いられる、抗炎症薬として効果がある等の報告があります。

プロポリスに含有するキナ酸のカフェ酸エステルにマクロファージを活性化する効果が報告されています。

経口で、結核、細菌および真菌感染症、原虫感染にプロポリスが用いられる、一般のかぜに経口でプロポリスが有効である可能性があるという説もある等の報告があります。

口腔内手術後の治癒促進、痛みや炎症の軽減に、プロポリスでのうがいの有効性、効果を示唆する報告があります。

プロポリスに含まれるフラボノイドやキナ酸には抗酸化効果があります。

プロポリスに含まれるクマール酸誘導体は抗がん効果が報告されています。

プロポリスの副作用・毒性

プロポリス 副作用 毒性

プロポリスの副作用・毒性などの危険性は以下の通りです。

■プロポリスの副作用・毒性一覧■

副作用としては、経口摂取でアレルギー反応が、プロポリスを含むトローチで口内炎が起きることがあります。これらはハチやハチの生産物に過敏な人に多いです。

外用で用いた場合、接触性皮膚湿疹等のアレルギーの副作用が起きることがあります。

プロポリス中のアレルゲンが症状を悪化させるという報告がありますので、喘息患者には禁忌です。

ハチの生産物(ハチミツなど)や針葉樹、ポプラ、サリチル酸にアレルギーのある人は使用を避けることとされています。

プロポリスや紫雲膏などを外用で使用していたアトピー性皮膚炎の男性で、接触皮膚炎を起こしたとの報告があります。(アトピー性皮膚炎の自家療法で生じた接触皮膚炎)

プロポリスはミツバチの巣の樹脂から得られ、比較的安全で、抗菌活性をもち、主に外用薬として使用されますが、とくに外用で消毒と皮膚保護に用いられるペルーバルサムからつくられた樹脂に敏感な人は、接触皮膚炎を生じる可能性があります。

安全性に関するデータは十分でないので、妊娠中・授乳中は使用を避けた方が良いでしょう。

他のハーブやサプリメント、医薬品、食物とプロポリスの相互作用については十分なデータがありません。

研究・エビデンス

プロポリス 研究 エビデンス

研究①ヘルぺス感染

ヘルぺス感染後の角膜炎患者35例と角膜白濁患者20例に就寝前に下眼瞼結膜に眼科用プロポリスフィルムを10〜15日間適用した結果、対照群と比較して、プロポリスを処方された患者のほうが回復日数がほぼ半分に短縮されました(プラセボ群14.1日に対して7.6日であった)。

研究②風邪

ライノウイルス感染において、プラセボ投与患者と比較してプロポリス投与患者は、風邪の症状が2.5倍早く治ったと思われた症例がありました。しかし、かぜに対するプロポリスの有効性、効果を評価するには、より多くのデータの蓄積が必要です。

研究③ロ腔内細菌

ロ腔内細菌に対してプロポリスとハチミツが試験された結果、いずれも唾液細菌数の減少によりロ腔内連鎖球菌に対するプロポリスの抗菌作用が示されました。

研究④抗腫瘍作用

プロポリスの成分であるカフェ酸フェネチルエステル(CAPE)をマウスに外用したところ、化学誘発性乳頭腫の数と大きさが用量依存的に減少しました。

研究⑤抗菌作用

プロボリスとその成分は黄色ブドウ球菌、A群溶血連鎖球菌、緑色連鎖球菌、ジフテリア菌、大腸菌、腸チフス菌、パラチフス菌、トキソプラズマに対して抗菌作用を示しました。

研究⑥口腔内の傷

27名を対象とした45日間の試験で、うがいに使用した場合、口腔内手術後の傷の回復、痛みや炎症の軽減が見られたという報告があります。

研究⑦へルぺス感染

90名の男女を対象とした10日間の一重盲検ランダム化比較試験の結果、プロポリス軟膏を使用した群で30名中24名の2型単純へルぺス(HSV-2)感染の再発生殖器が治癒しました。

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