タウリンの効果効能、副作用は?高血圧、循環器疾患に有用

タウリン 高血圧 循環器疾患

タウリンの概要

タウリン 概要

タウリン(taurine)(別名 2-アミノエタンスルホン酸)は筋肉、脾臓、肺、骨髄などに存在する含硫アミノ化合物で、タンパク質の構成成分とはならないですが、体内ではシステインから合成されます。

タウリンは細胞内の浸透圧の維持に関わるほか、肝臓では胆汁酸と抱合体を形成し、コレステロールの胆汁中への排泄に役立っています。

その他にも、細胞膜安定化、神経伝達調節などの効果があるとされています。動脈硬化、糖尿病、心不全などの生活習慣病に対する効果が期待され、安全性も高いという点で注目されていますが、医薬品として規制されています。

タウリンを多く含む食品・医薬品

ほとんどが食事から摂取され、多くの動物性食品はタウリンを含有しています。多くの植物性食品(海藻を除く)と卵にはタウリンが含有されていません。

甲殻類や軟体動物(300〜800mg/100g)に最も多くタウリンが含まれています。多く含む食品としてはさざえ(1536mg/100g)、ほたて(1006mg/100g)、たこ(871mg/100g)などがあります。

魚類または哺乳類の臓器または肉から得られた、タウリンを主成分とする抽出物は、食品添加物(調味料)として用いられることもあります。

医療用医薬品では、高ピリルビン血症やうっ血性心不全などに、肝・循環機能改善薬として用いられます。一般用医薬品では、滋養強壮薬、ドリンク剤、点眼薬などに配合されています。

タウリンを含む医薬品例

医療用医薬品:タウリン散、タウリン坐薬

一般用医薬品:救心内服液、命の母A、アイリスネオ

医薬部外品:リポビタンD、エスカップ等

タウリンの作用

■タウリンの作用■
タウリンは3つの重要な含硫化合物のうちの1つです(他はアミノ酸のメチオニンとシステイン)。タウリンはシステイン代謝の最終産物であり、システインからのカルボキシル基の除去とスルホン酸基の形成により生成されます。

網膜と血小板に多く含まれ、新生児には必須の含硫アミノ化合物です。タンパク質の構成成分にはならないですが、代謝的に重要な役割を果たします。体内ではシステインからつくられます。過酸化物の消去剤であり、また神経修飾物質として作用します。

タウリンの効果効能

タウリン 効果 効能

タウリンの効果効能として報告されているもの一覧を紹介します。

■タウリンの効果効能一覧■

「動脈硬化、糖尿病、高脂血症、脳卒中、心不全、貧血、不整脈、中枢神経、てんかん、自閉症、外傷、筋収縮、胆汁、胆石、解毒、アルコール性肝臓障害、気管支喘息、網膜、交感神経抑制、心臓、肝臓、高血圧、高コレステロール、小腸、腸内細菌、抗酸化」

タウリンは胆汁酸の分泌を促してコレステロールの排泄を促進し、コレステロール値を下げる、高脂血症に用いられる、交感神経抑制効果により血圧を正常に保ち脳卒中、心臓病などを予防する、高血圧に用いられる、血圧を正常値に保つ働きのほか、心臓強化、貧血の予防、血中コレステロールの減少、不整脈の改善などの効果がある等の報告があります。

タウリンは筋収縮機能にかかわり、心筋の収縮カを高めてうっ血性心不全を防ぐ効果があり、心不全治療薬としても使われるとの報告があります。

うっ血性心不全に対するタウリンの有効性、効果を示唆する報告があります。

タウリンは小腸の蠕動(ぜんどう)運動を盛んにして腸内容物の滞留時間を短縮し、腸内細菌の異常増殖を防ぐ効果があるとの報告があります。

タウリンは中枢神経の機能にも関係する、神経伝達の調節に関する効果が明らかにされてきている、てんかんなどの発作性疾患に用いられる、自閉症に用いられる等の報告があります。

タウリンにはインスリンの分泌を促進する、糖尿病を防止する効果がある、肝細胞の再生を促し、細胞膜を安定化する等の報告があります。

タウリンは胆汁酸の分泌を促してコレステロールの排泄を促進し、コレステロール胆石を溶解する、肝臓の解毒効果を強化する、アルコール障害の改善効果がある等の報告があります。

タウリンは気道の収縮を予防し、気管支喘息を改善するとの報告があります。

タウリンの網膜の働きを高める効果が明らかになってきているとの報告があります。

母乳中で遊離アミノ酸分画にかなりの濃度でタウリンが存在することから、生後の生育に役立つと考えられています。

感染や外傷時に筋のタウリン濃度が低下し、筋収縮機能が阻害されるとの研究があります。

タウリンが抗酸化剤として用いられるとの報告があります。

タウリンの副作用・毒性

タウリン 副作用 毒性

タウリンの副作用・毒性などの危険性は以下の通りです。

■タウリンの副作用・毒性一覧■
タウリンは毒性や副作用の少ない成分です。予備的なエビデンスとして心血管系に有用であるとされますが、さらなる研究が必要です。

タウリンは適切に用いれば経口でおそらく安全と考えられます。臨床試験の結果、1年までの連続摂取で安全でした。

ただし、妊娠中、授乳中の安全については十分な実証データがありません。安全性は不明です。過剰摂取には注意しましょう。

研究・エビデンス

研究 エビデンス

研究①うっ血性心不全

14名のうっ血性心不全患者を対象とした4週間の二重盲検クロスオーバーRCT(ランダムに比較する臨床試験)の結果、タウリン摂取により心臓機能の指標、クラックル(断続性ラッセル音)、レントゲン所見に改善が見られました。24名の患者を対象とした試験の結果、タウリン2gを1日2回4週間あるいは8週間摂取したところ、症状スコア、レントゲン所見が改善したとのことです。

研究②高血圧

高血圧の男性19例にタウリン(6g/日)を1週間投与した結果、プラセボと比較したところ、タウリンが拡張期・収縮期血圧を有意に低下させることが確認されました。血漿アドレナリンも低下していました。

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