リジンの効果効能、副作用 ヘルペス予防にも使用

リジン 効果 効能

リジンの概要

リジン(英 lysine)は必須アミノ酸の中でも最も不足しやすいアミノ酸です。

一般的に体タンパク質の中には2〜10%含まれており、抗体やホルモン、酵素などの原料ともなるため、リジン含有量の多いタンパク質の組み合わせを考慮することが必要です。

医薬品ではアミノ酸製剤、栄養剤などにリジンが配合されています。一般用医薬品では滋養強壮薬、ドリンク剤などに配合されています。アミノ酸の補給を目的としたサプリメント、飲料などにも用いられています。食品添加物(調味料、強化剤)として用いられることもあります。

リジンは比較的安全なアミノ酸で、ヘルペスの治療と予防に用いられています。しかし臨床での対照試験ではへルペスへの有効性は少ないといいます。

リジンを使用した医薬品の例

  • 医療用医薬品:アミノレバンEN
  • —般用医薬品:アニマリンLIS

リジンが多く含まれる食品

食品では、タンパク質の構成アミノ酸として、ほんまぐろ赤身(2500mg/100g)、とり胸肉皮なし(2200mg/100g)、プロセスチーズ(1900mg/100g)などに多く含まれます。

リジンは蛋白質を含むほとんどの食物(すべての肉類と豆類)に含まれます。穀物およびナッツ蛋白質中のリジン含量は若干低いです。菜食主義者でない者の1日リジン摂取量は平均8.3gで、乳製品と卵は食べる菜食主義者では5.4g、完全菜食主義者では3.7gです。

リジンは必須アミノ酸で分子量は146です。かつてリジンー塩酸(LMH)は蛋白質生合成を促す成分としてサプリメントとして販売されていたことがあります。LMHはまろやかな塩味をもつので、代用食塩として用いられます。

リジンの作用メカニズム

■リジンの作用メカニズム■
リジンはカルニチンの生合成に使われるので、脂肪酸の輸送に際して重要です。蛋白構造形成に非常に重要で、コラーゲン、エラスチン、そして他の組織の蛋白質において架橋を形成することができます。

食物から摂取されたリジンは腸管から吸収され、全身の蛋白質に取り込まれます。過剩に摂取されたリジンは門脈循環を介して肝臓に取り込まれ異化作用を受ける。リジンは体内蓄積期間のきわめて長いアミノ酸であり、血漿中での半減期は11日です。成人に30分間で静注した30gのLMHはインスリンと成長ホルモンの放出を、血糖値を上昇させることなく誘発します。

リジンの効果効能

リジンの効果効能として報告されているもの一覧を紹介します。

■リジンの効果効能一覧■
肝臓、脂肪、コレステロール、貧血、食欲、めまい、受精率、糖質代謝、目の充血、組織修復、成長、人乳、第一制限アミノ酸、ヘルペス、ブドウ糖代謝、疲労、運動能力、カルシウム吸収

  • 食欲を増進するとの報告があります。
  • ホルモンを産出して受精率を高める効果があるとの報告があります。
  • 胆のう ・肝臓での脂肪酸の適切な利用を促す、肝機能を亢進する等の報告があります。
  • 体の組織を修復し、成長に関与します。体タンパク質の合成成分です。
  • ヘルペスを予防し、解消するため単純へルベス感染の再発を低減し、症状を軽減し治癒を早める目的での摂取はおそらく有効と言われています。
  • ブドウ糖代謝に関わるので、不足すると疲れがたまる、疲労を回復する、運動能力向上を目的に用いられる、カルシウムの吸収に効果がある等の報告があります。

リジンが欠乏すると?

リジンが欠乏・不足すると、

  • 肝機能の衰えから、血中に飽和脂肪やコレステロールが増えやすくなる。
  • 貧血になる。
  • 集中低下、めまいなどを起こす。
  • 目が充血する。

などの症状が出る恐れがあります。

リジンの副作用・毒性

リジン 副作用 毒性

リジンの副作用・毒性などの危険性は以下の通りです。

■リジンの副作用・毒性一覧■
リジンは適切に用いれば経口でおそらく安全と考えられます。

成人および乳幼児でのリジンの有害事象は少ないといいます。40g/日の摂取で軽い消化器症状(腹部痙攣と一過性の下痢)を認めましたが、投与量を減らすことにより症状は消失しました。乳幼児では、最高6.5g/日までのLMH(l-リジン5.18gを含む)を3〜4日間摂取しても安全でした。

経口摂取の副効果としては、10g/日を5日間摂取で下痢、腹痛が知られています。

妊娠中、授乳中の安全性については十分なデータがないのでサプリメントとしての使用は薦められません。

リジンの研究・エビデンス

リジン 研究 エビデンス

研究①単純へルペスウイルス(HSV)

リジンはHSV感染の治療と予防に一般的に用いられます。その作用については理論的根拠がある(HSVのアルギニン依存度は非常に高く、L-リジンがへルぺスウイルスの複製を阻害する)といいますが、ほとんどの臨床試験では否定的な成績となっています。

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