セージ(薬用サルビア)の効果効能、副作用 多汗症やアルツハイマーにも効く?

セージ 多汗症 アルツハイマー

セージ(薬用サルビア)の概要

セージ 薬用サルビア

セージ(薬用サルビア)

セージ(薬用サルビア)(英 sage)シソ科

セージ(薬用サルビア)はヨーロッパ南部原産、地中海沿岸地方の多年草で、葉の抽出物が経口で記憶カの改善、コミッションE(ドイツのハーブ承認委員会)では外用で鼻粘膜の炎症に対して使用が承認されているハーブです。

高さ30-90cm(平均70cmほどの高さ)の小さな灌木で、7-8月に葉を採集し、陰干しにします。花期は5-6月、青紫色の唇形花が円錐形の総状花序に10-12個つきます。

セージ(薬用サルビア)はサプリメントとして用いられることもあります。肉料理の際の香辛料として使われることも多いです。精油はアロマテラピーにも利用されます。

セージには毒性のあるツヨンが含まれています。調理しないものを長期にわたり摂取すべきでありません。

セージ(薬用サルビア)の成分

■セージ(薬用サルビア)の主な成分■
セージ(薬用サルビア)の有効成分はα-及びβ‐ツヨン(thujone)、ロズマリン酸(rosmarinicacid)、カルバクロール(carvacrol)、ルテオリン(luteolin)、リナロール(linalool)、α-テルピネオール(α-terpineol)などを含みます。セージ(薬用サルビア)は2.5%ほどの精油を含有し、α-ツヨン(60%以下)とβ‐ツヨン(10%以下)、および他のモノテルぺノイド(とくにシネオールとカンファー)、ジテルぺノイドとトリテルぺノイド(とくにオレアノール酸)、フラボノイド、フェノール化合物類(rosmarinic acid、labiatic acid、カフェ酸を含む)また3〜7%のタンニンを含みます。緩やかな抗酸化作用をもつ3種類のフェノール配糖体も同定されました。

セージ(薬用サルビア)の効果効能

薬用サルビア 効果 効能

セージ(薬用サルビア)の効果効能として報告されているもの一覧を紹介します。

■セージ(薬用サルビア)の効果効能一覧■

「膨満、鼓腸、消化不良、食欲不振、下痢、胃炎、唾液減少、喉頭炎、咽頭炎、認識能、記憶カ、うつ、めまい、脳虚血、月経困難症、乳汁漏出、生理痛、不妊症、肝機能不全、虫刺され、鼻粘膜の炎症、喘息、口唇へルペス、口内炎、歯肉炎、舌炎、多汗症」

セージ(薬用サルビア)は経口で、膨満、鼓腸、消化不良、食欲不振、下痢、胃炎、唾液分泌減少に対して効果がある、消化不良、ガスに経口摂取する、下痢、胃炎に対してお茶や浸剤の形で効果がある等の報告があります。

セージ(薬用サルビア)は外用で喉頭炎、咽頭炎に対して効果があるとの報告があります。

スパニッシュセージ(Salvia)単独で青年の記憶カを用量依存的に増強させたという報告があります。しかし、この効果については、更なる科学的根拠の蓄積が必要だという声もあります。

アルツハイマー患者の認識能の改善に対するセージ(薬用サルビア)の有効性、効果を示唆する報告があります。

セージ(薬用サルビア)は動物実験で抗コリンエステラーゼ活性が確認されています。

セージ(薬用サルビア)は経口で、抑うつ、脳虚血、記憶カ、認識能の向上に対して効果がある、不安、憂うつに対して効果がある、震え、うつ状態、めまい等の神経質な状態に対してお茶または浸剤で効果がある等の報告があります。

セージ(薬用サルビア)は経口で、月経困難症、乳汁漏出に用いられる、生理痛に効果がある等の報告があります。不妊症に経口で効果があるとの報告があります。

肝機能不全に対してセージ(薬用サルビア)を経口で効果があるの報告があります。

セージ(薬用サルビア)は虫刺されに外用で効果がある、虫刺されにお茶または浸剤の形で使用される等の報告があります。収れん効果があります。

セージ(薬用サルビア)は外用で鼻粘膜の炎症に対して効果があるとの報告があります。コミッションEでは鼻粘膜の炎症に対して外用での使用が承認されています。

セージ(薬用サルビア)は吸入で喘息に対して効果があるとの報告があります。

口唇へルぺスに対して外用でセージ(薬用サルビア)の有効性、効果を示唆する報告があります。抗菌、抗カビ、抗ウイルス効果があります。

セージ(薬用サルビア)は外用で、口内炎、歯肉炎、舌炎に対して効果があるとの報告があります。治療指針として口内炎、歯肉炎、咽頭炎などの口腔及び喉の炎症があげられています。コミッションEでは喉の粘膜の炎症に対する外用での使用が承認されています。

セージ(薬用サルビア)は経口で、多汗に対して効果があるとの報告があります。2治療指針として多汗症があげられています。新鮮な葉の水性抽出物には抗多汗効果が認められます。コミツションE(ドイツのハーブ承認委員会)では多汗に対する経口摂取が承認されています。ピロカルピンで誘導した多量の発汗が抑えられたとのことです。

セージ(薬用サルビア)のオイルには、グラム陽性およびグラム陰性細菌、真菌および酵母に対する抗菌作用があり、また水疱性口内炎ウイルスに対する抗ウイルス作用もあります。

セージ(薬用サルビア)はロ腔内粘膜の炎症、咽頭炎、消化不良、ほてり、寝汗、発汗過多、多汗症、乳汁分泌の停止、低血圧、月経誘発などに効果が期待されます。

セージ(薬用サルビア)の副作用・毒性

セージ 副作用 毒性

セージ(薬用サルビア)の副作用・毒性などの危険性は以下の通りです。

■セージ(薬用サルビア)の副作用・毒性一覧■
米国ハーブ製品協会の分類では、「葉は妊娠中に使用しないこと」、「長期の使用は不可、定められた用量を超えないこと」に分類されています。

短期間ならば治療目的の摂取は副作用は少なくおそらく安全、4ヶ月まで安全に摂取できたという報告があります。

経口摂取の副作用として、吐き気、嘔吐、腹痛、めまい、興奮、喘鳴等が報告されています。また、高血圧患者の血圧を上昇させる可能性があります。高血圧患者の血圧を上昇させる可能性があるので、セージを摂取する場合は血圧をモニタリングすることとされています。

副作用および過剰摂取による毒性は多くは報告されていないとの報告があり、通常食品として適切に摂取すれば安全であると考えられます。外用でもおそらく安全と考えられます。

ツヨン(ツヨーン)を含む種類があるので、過剰摂取で毒性が現れるおそれがあるとの報告があり、高用量を長期間摂取す過剰摂取るのは安全ではないと考えられます。

ツヨンは月経促進、堕胎効果があるとの報告があり、妊娠中の摂取は避けたほうがよいと考えられます。

ツヨンには神経毒性があり、瘦攣を起こすことがあります。アルコール抽出物や精油を長期摂取すると、てんかん様の痙攣が起きることがあります。

セージは母乳の分泌を減少させると考えられているとの報告ががあり、授乳中の摂取は避けたほうがよいと考えられます。妊娠中は精油、アルコール抽出物を摂取しないこと、精油に毒性成分を含むことがあるので、妊娠中、授乳中の葉の摂取は避けたほうがよいと考えられます。

理論的には血糖低下効果のあるハーブやサプリメント、医薬品との併用で、それらの効果を増強する可能性、セージを鎮静効果のあるハーブやサプリメント、医薬品と併用すると、それらの効果や副効果を増強する可能性、抗痙攣薬と併用すると、その効果を阻害する可能性が考えられ、てんかん患者には使用してはならないとの報告もあります。

研究・エビデンス

エビデンス

研究①セージ(薬用サルビア)とアルツハイマー

セージ(薬用サルビア)の抽出物について、健康人における摂取試験、あるいはアルツハイマー患者を対象とした複数の臨床試験の結果、認識能の改善に役立つ可能性が示唆されています。42名のアルツハイマー患者を対象とした4ヶ月間のランダム化比較試験の結果、セージ(薬用サルビア)抽出物摂取群はブラセボ群に比べて、認識能が有意に良好でした。

研究②セージ(薬用サルビア)と口唇へルぺス

145名の患者を対象とした比較試験の結果、セージとダイオウを含むクリーム剤は口唇へルぺスに対してアシクロビル含有クリームと同等の効果があったといいます

研究③セージ(薬用サルビア)と多汗症(発汗の抑制)

生のセージの水溶性抽出物を用いた研究ではピロカルピン誘発性発汗が抑制されました。特発性多汗症の患者80例に2種類のセージの製剤(2.6gのセージに相当する乾燥水溶性抽出物440mg、および4.5gのセージを用いた浸剤)を4週間投与した結果、汗の分泌を低下させました(抽出物のほうが、やや効果的であったといいます)。