メチオニンの効果効能、副作用 欠乏で抜け毛も?

メチオニン 効果 効能

メチオニンの概要

メチオニン 概要

メチオニン(methionine)は必須アミノ酸のひとつで、硫黄を含んだ含硫アミノ酸です。動物の成長に大切な必須アミノ酸です。

メチオニンとアデノシンが結合した化合物がSAMe(S-アデノシルメチオニン)です。活性メチオニンとも呼ばれます。

タンパク質中での含量は少ないですが、生体内ではメチル基供与体であるとともに、高脂血症、心臓病などの生活習慣病のリスクが高まるホモシステインを代謝して体内で合成されるため、健康増進に重要な役割を担うアミノ酸のひとつです。

医療用医薬品ではアミノ酸製剤、栄養剤などに配合されています。一般用医薬品では滋養強壮薬、ドリンク剤などに配合されています。

アミノ酸の補給を目的としたサプリメント、飲料などにも用いられています。メチオニンは食品添加物(調味料、強化剤)として用いられることもあります。

メチオニンを含む食品

食品では、タンパク質の構成アミノ酸として、とり胸肉皮なし(660mg/100g)、小麦胚芽(510mg/100g)、鶏卵(400mg/100g)などに多く含まれます。

ほとんどの蛋白質含有食品、とくに動物性食品に多く含まれます。通常の食事(洋食の場合)では、223mgの硫化アミノ酸(メチオニンとシステイン)を摂取できます。硫化アミノ酸摂取の1日推奨量は13mg/kg/日です。

メチオニンを使用した医薬品

メチオニンは、肝不全用アミノ酸製剤、高カロリー輸液用総合アミノ酸製剤、腎不全用アミノ酸製剤、総合アミノ酸製剤、総合アミノ酸製剤グリセリン配合剤、滋養強壮保健薬の成分として使用されます。

医薬品例

  • エレンタールP(EAファーマ)
  • アミパレン(大塚製薬工場・大塚製薬)
  • キドミン(大塚製薬工場)
  • ビタレスト錠(ロート製薬)

メチオニンの効果効能

メチオニンの効果効能として報告されているもの一覧を紹介します。

■メチオニンの効果効能一覧■
「心臓病、コレステロール、動脈硬化、うつ病、統合失調症、ヒスタミン、浮腫、解毒、脱毛、成長、抗腫瘍、胆汁うっ滞、肝(機能)不全、線維筋痛症」
抗うつ薬として即効性があり、分裂病の症状を改善するとの報告があります。

ヒスタミンの血中濃度を下げる効果があるとの報告があります。

アセトアミノフェン中毒の際の肝臓障害を防ぐ目的に、アセトアミノフェン摂取後10時間以内の経口摂取の有効性、効果を示唆する報告があります。

アセトアミノフェン中毒に対して有益である可能性が高いとの報告があります。

メチオニンには解毒効果があるとの報告があります。

メチオニンには抗腫瘍効果があるとの報告があります。

メチオニン欠乏によりコレステロール沈着、動脈硬化を引き起こします。

メチオニンを欠乏すると抜け毛を引き起こします。

メチオニンを欠乏すると尿をつくる能力が衰え、浮腫を生じる、利尿効果がある等の報告があります。

うつ病に対するメチオニン、またはSAMe(S-アデノシルメチオニン)の使用を支持するエビデンスがあります。

SAMeはまた胆汁うっ滞、肝(機能)不全、および線維筋痛症にも有用なようです。

メチオニンの副作用・毒性

メチオニン 副作用 毒性

メチオニンの副作用・毒性などの危険性は以下の通りです。

■メチオニンの副作用・毒性一覧■
長期使用は、心血管疾患のリスク要因に影響する可能性があります。

アセトアミノフェン中毒の治療のための経口摂取であればおそらく安全と考えられます。

自己判断で食品中に含まれる以上の量を摂取した場合、おそらく安全ではないだろうとの指摘があります。

静注および経口の副作用として吐き気、嘔吐、めまい、嗜眠状態、低血圧、興奮が報告されています。

メチオニンおよび塩分、亜硝酸塩に富む食事により、胃がんのリスクが増加する可能性があることが指摘されています。

メチオニンを多量摂取すると、体内動態でグリシンと競合することが考えられます。

ハーブやサプリメントとの相互効果は報告されていません。

メチオニンの研究・エビデンス

メチオニン 研究 エビデンス

研究①SAMe(S-アデノシルメチオニン)投与

短期間のSAMe(S-アデノシルメチオニン)投与は認められています。毎日1,600mgまでを投与した臨床試験において。軽い胃腸作用のみが観察されました。不安感、軽度の躁病(双極性うつ病の患者において)、および躁病歴のない患者での躁病の1例が報告されています。

研究②ホモシステイン、内皮細胞の機能および脂質の過酸化

心血管疾患のリスクファクターを調べた3試験中2試験において、ホモシステイン濃度と血管内皮細胞の機能に対するメチオニンの副作用がみられました。これらの研究はSAMe(S-アデノシルメチオニン)ではなくメチオニンについて行われましたが、結果は双方で同じはずです。

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