フキタンポポの効果効能、副作用 葉には毒性もあり

フキタンポポ 呼吸器

フキタンポポの概要

フキタンポポ 概要

フキタンポポ(カントウヨウ)(英)Tussilia farfara、Coltsfoot きく科[カントウ属]

フキタンポポは葉や花が咳によいとされ、ヨーロッパや中国漢方などでも呼吸器系の不調時に利用されてきました。

ドイツのハーブ委員会コミッションEでは葉を、呼吸器に関する治療用に使用できるハーブとして承認しています。ただし、有害なアルカロイドを含むため、使用には制限事項が多く、注意が必要です。また、ヒトでの研究は少なく、効果の科学的根拠はまだ十分ではありません。健康食品としてよりは、化粧品やヘアケアによく用いられています。

ヨーロッパ、北アフリカ、シベリア、インド、中国の原産。日本には明治中期に渡来。高さ10〜50cm。花期2〜3月。高さ30cmほどになる多年生の植物で、早春に葉が開く前に開花します。フキタンポポの花は黄色で、種子はタンポポに似た球状を呈します。葉は蹄鉄様の形をして大きく、裏側に白いフェルト状の微毛を有します。

使用部分は花蕾(款冬花〈カントウカ〉)。10月下旬〜12月下旬にかけて、まだ地中にある花蕾を掘り集め、水洗い後、花梗を除いて陰干しにします。

日本のフキノトウは異なる植物ですが、以前はフキタンポポと誤用されていました。

現在はあまり使われることはありませんが、鎮咳・去痰の民間薬として用いられることもありました。

フキタンポポの成分

■フキタンポポの主な成分■

フキタンポポにはフィトステロール(phytosterol)、ファラジオール(faradiol)、セネキルキリン(senekirkirine)、セネシオニン(senecionine)、色素タラキサンチン(taraxanthin)が含まれると報告されています。その他、タンニン、サポニン、パラフィン、亜鉛、カリウム、カルシウム、イヌリン、フラボノイドなどが含有します。

フキタンポポの効果効能

フキタンポポ 効果 効能

フキタンポポの効果効能として報告されているもの一覧を紹介します。

■フキタンポポの効果効能一覧■

「喘息、鎮咳、去痰、百日咳、カタル、気管支炎、咽頭炎、呼吸器疾患、しわがれ声、口腔内粘膜炎症、咽頭粘膜炎症、喉の痛み、扁桃炎、かぜ、インフルエンザ、リンパ節腫脹、結核、代謝、血液浄化、胃腸炎、下痢、皮膚潰瘍、腫れ物、ただれ、湿疹、虫刺され、発疹、外傷、利尿、発汗」

フキタンポポの花を胃腸の炎症、下痢に効果があるとの報告があります。

フキタンポポの生の葉を潰瘍や腫れ物に対してパップ剤として使用すれば、鎮痛・治癒効果があるとされます。

虫刺され、皮膚の発疹に外用で用いる花は外傷の治療に外用で用いる等の報告があります。

喘息に煎じるか、粉末で摂取する、花、葉ともに鎮咳・去痰薬として用いられる、百日咳、カタル、気管支炎、咽頭炎など、ほとんどの呼吸器疾患に効果があるとされます。

歴史的にフキタンポポの葉を気管支炎、喘息、喉頭炎、百日咳、咳やしわがれ声を伴う急性呼吸器粘膜炎、口腔や咽喉の炎症、扁桃炎に対して用いられてききました。

咳や喘鳴に対しては吸入でも用いられる、葉を急性呼吸器カタル、咳、しわがれ声に使用する、葉のこの効果に関してはコミッションEで承認された用途である、一方、花は未承認で、上記に加えて急性・慢性の咽頭炎、喘息、喉の痛み、扁桃炎などに用いる(等の報告があります。

フキタンポポの花はかぜ、インフルエンザに用いられるとの報告があります。

フキタンポポの葉を口腔内と咽頭の粘膜の急性の軽い炎症に効果があるとの報告があります。

フキタンポポの花をリンパ節の腫れ、結核、代謝の促進、利尿発汗剤としての血液の浄化効果などに用いるとの報告があります。

フキタンポポの効果についてはいずれもヒトでの十分な科学的実証が得られていません。

フキタンポポの副作用・毒性

フキタンポポ 副作用 毒性

フキタンポポの副作用・毒性などの危険性は以下の通りです。

■フキタンポポの副作用・毒性一覧■
ドイツのハーブ委員会コミッションEでは、有害なピロリジジンアルカロイドを含む植物のうち、フキタンポポの葉だけが経口摂取を許されています。肝臓に害を与える可能性のあるピロリジジンアルカロイドを低濃度含むが、30分間煮て得られた煎じ液からは検出されなかったといいます。

フキタンポポは有害な不飽和ピロリジジンアルカロイド(UPA)を含み、肝毒性や肝がんを引き起こす可能性があります。さらに低濃度のUPAの長期摂取はVOD(veno-occlusivedisease:肝中心静脈閉塞症)に関連があると考えられています。またUPAは変異原性を持つとされます。

ユーカリと併用すると、酵素誘導によりフキタンポポの毒性が増すことがあります。

ビロリジジンアルカロイドを含むハーブと併用すると、毒性が強まることがあるので併用禁忌です。

フキタンポポを過剰に摂取すると、血圧降下薬や心血管系効果薬の効果に影響を与えることがあります。

肝毒性があるので、肝疾患を持つ人は禁忌です。
不飽和PAを含有するフキタンポポ製品はすべて、妊娠。授乳中には摂取すべきでないといいます。

オーストラリアではホメオパシー製剤として0.000001%またはそれ以上の希釈をしなければ、フキタンポポの使用を禁止しています。カナダでは規制によりフキタンポポを食品として使用することは禁止されています。

フキタンポポの研究・エビデンス

フキタンポポ 研究 エビデンス

研究①妊娠中の飲用

妊娠中に9%のフキタンポポを含む茶を飲用し続けた場合に、乳児の肝静脈閉塞症の発症が報告されています。この胎児は38日しか生存しませんでした。

しかし実際には、この茶にフキタンポポが含まれていなかった可能性もあります。

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