ナツシロギク(フィーバーフュー)の効果効能、副作用 片頭痛に有効との研究

ナツシロギク 片頭痛

ナツシロギク(フィーバーフュー)の概要

ナツシロギク フィーバーフュー

ナツシロギク(フィーバーフュー)

ナツシロギク(別名フィーバーフュー(英)feverfew)はヨーロッパ東部からアジア南西部に分布するキク科の多年草で、葉、頭花を煎液、チンキ剤、蒸留して得た精油などとして使用します。

道端や荒地に生える高さ30-80cmの多年草。観賞用や薬用に栽培もされており、葉は強い芳香を有します。

ナツシロギクには片頭痛に効果があるという報告があります。慢性頭痛治療ガイドラインでは、「ナツシロキクは、マグネシウム、ビタミンB2(リボフラビン)とともに片頭痛予防に有効とされる(推奨グレードB)」としています。

「気分をすっきりさせる」サプリメント、ハーブティーとして用いられることもあります。

ナツシロギクの成分

■ナツシロギクの主な成分■

葉にセスキテルぺノイドを含み、その主なものはパルテノリド(parthenolide)。他にゲルマクラノリド(germa-cranolide)、グアイアノリド類(guaianolide)等。セスキテルペンラクトン、とくにゲルマクラノリド(パルテノリドと3-βヒドロキシパルテノリドを含む)、セスキテルペン、モノテルペン、ポリアセチレン、フラボノイドを含み、メラトニンも含まれます。

花(頭状花)は葉の4倍のパルテノリドを含み、葉のパルテノリドは花が咲いた後に4倍に増えます。乾燥させた葉のパルテノリド濃度は1%を超えるか、あるいはまったく含まないかのいずれかです。パルテノリドが最も活性の高い化合物と考えられていますが、パルテノリドが片頭痛の予防と治療に効果があるとするエビデンスはありません。他の成分に抗片頭痛作用があると考えられています。

ナツシロギク(フィーバーフュー)の効果効能

ナツシロギク 効果 効能

ナツシロギクの効果効能として報告されているもの一覧を紹介します。

■ナツシロギクの効果効能一覧■

「貧血、吐き気、嘔吐、下痢、消化不良、便秘、胃痛、疝痛、二日酔い、片頭痛、坐骨神経痛、抗痙攣、アレルギー、喘息、月経異常、不妊症、流産予防、浮腫、腎臓の痛み、肝臓病、関節リウマチ、関節炎、乾癖、整形外科的疾患、虫刺され、打撲、耳鳴り、めまい、耳痛、かぜ、がん、歯痛、発熱、殺虫」

ナツシロギクの臨床データに裏づけられた効果として、片頭痛の予防があげられています。

ナツシロギクが片頭痛の予防、頭痛に対して経口で用いられている、片頭痛に伴う吐き気や嘔吐に対して用いられる等の報告があります。

ナツシロギクは貧血に対して経口で用いられるとの報告があります。

ナツシロギクは吐き気、嘔吐、下痢、便秘、消化不良に対して経口で用いられている、消化管機能不全に対して経口で用いられる等の報告があります。

消化器系の機能促進、胃痛、疝痛、二日酔いの治療にナツシロギクが使用されるとの報告があります。

鎮痛、抗痙攣にナツシロギクが用いられるとの報告があります。

坐骨神経痛に対するナツシロギクの効果が示唆されています。

喘息に対して経口で用いられているとの報告があります。

ナツシロギクは月経異常、不妊症、流産予防に対して経口で用いられている、月経困難症に対して経口摂取する、通経、婦人科系疾患の治療に用いられる等の報告があります。

下肢の浮腫に対してナツシロギクが経口で用いられるとの報告があります。

腎臓の痛みの治療にナツシロギクが使用されるとの報告があります。

肝臓病に対してナツシロギクが経口で用いられるとの報告があります。

ナツシロギクは関節炎、乾癬、整形外科的疾患に対して経口で用いられている、リウマチ、関節炎に経口摂取される等の報告があります。ただし、慢性関節リウマチの治療に用いられてきたが、臨床試験の結果、いかなる有効性、効果も見出せなかったとの報告もあります。

ナツシロギクは虫刺され、打撲に外用で用いられるとの報告があります。

耳鳴り、めまい、耳痛に対してナツシロギクが経口で用いられるとの報告があります。

ナツシロギクはかぜに対して経口で用いられるとの報告があります。

ナツシロギクはがんに対して経口で用いられるとの報告があります。

ナツシロギクは歯痛に外用で用いられるとの報告があります。

ナツシロギクは発熱に経口で用いられるとの報告があります。

ナツシロギクは殺虫に外用で用いられるとの報告があります。

ナツシロギクの副作用・毒性

ナツシロギク 副作用 毒性

ナツシロギクの副作用・毒性などの危険性は以下の通りです。

■ナツシロギクの副作用・毒性一覧■

ナツシロギクを経口で使用した際の副作用としては、胸焼け、消化不良、吐き気、下痢、便秘、腹痛、鼓腸、悪心、嘔吐、膨満感などの胃腸症状、神経過敏、緊張性頭痛、不眠、めまい、関節のこわばり、疲労感、月経異常、動悸、アフタ性潰瘍、口腔の痛み、唇の腫れ、味覚障害、体重増加が報告されています。

フィーバーフュー後症候群(片頭痛症状(不安、不眠、筋肉と関節の強度)のリバウンド)の副作用が起こることがあります。

ナツシロギクは4ヶ月まで安全に使用できたという報告があります。長期間の使用については十分なデータが見当たりません。ナツシロギクを長期使用した臨床試験では有意な副作用は報告されていないですが、長期摂取の安全性は十分に確認されていません。

2歳以下の小児はナツシロギクを使用しないほうがよいと考えられています。

妊娠中のナツシロギク経口摂取はおそらく安全でないと考えられています。子宮収縮効果があり流産のおそれがあるので使用しないこととされています。

ナツシロギクの新鮮な葉を嚙む方法がある地域では伝統的に行われていますが、この副作用として口腔潰瘍、口腔粘膜と舌の炎症、唇の腫れ、ときに味覚喪失が報告されています。1年以上にわたって葉を嚙んでいた人に腹痛と消化障害の副作用が報告されています。

不安、頭痛、不眠、筋肉と関節のこわばりといった「ナツシロギク後遺症」と呼ばれる症状が、長期摂取した人で見られたという報告があります。

ナツシロギクのまれな副作用として、口腔潰瘍や胃障害が使用1週間ほどで見られます。外用で接触性皮膚炎が起きることがあります。

ナナツシロギクが血小板凝集を阻害するという知見が複数ありますが、ヒトでは報告されていません。

理論上、抗凝血効果のあるハーブやサプリメント、医薬品とナツシロギクの併用で、それらの効果を増強する可能性が考えられます。

キク科植物にアレルギーのある人は交差アレルギーを起こすことがあります。ナツシロギクやブタクサ、他のキク科植物(カモミールやセイヨウノコギリソウなど)にアレルギーのある人は禁忌です。

研究・エビデンス

研究 エビデンス

研究①片頭痛

ナツシロギク製剤を用いた6件のランダム化比較試験をシステマテイック・レビューした結果、ナツシロギクは片頭痛の予防に効果があることが示唆されました。ナツシロギクを経口摂取すると、片頭痛の頻度および痛み、吐き気、嘔吐、音や光に対する過敏などの症状が軽減したという報告があります。発作の頻度が高い患者ほど効果が高いと思われます。しかし、片頭痛の発現を抑えたり、症状を改善したりはしないとする報告もあります。

研究②慢性関節リウマチ

ナツシロギクは種々の関節炎に対して予防効果が謳われていますが、女性の慢性関節リウマチ患者40名を対象とした二重盲検試験の結果、乾燥葉を6週間経口摂取してもプラセボ群と比較して優れた効果は認められなかったといいます。

研究③片頭痛

片頭痛患者72例に乾燥させたフィーバーフュー(ナツシロギク)の葉(82mg、0.62%のパルテノリドを含む)をそのまま4カ月間摂取。試験はクロスオーバーにより4カ月ずつ行いました。
その結果、59例が試験を完了しました。フィーバーフュー摂取時には、片頭痛は頻度が低く症状は軽度で嘔吐も少なかったですが、片頭痛の持続時間は同じでした。

研究④片頭痛

片頭痛患者57例にナツシロギク(100mgの葉粉末、0.2%のパルテノリドを含む)を連日2カ月間摂取させ、次いでナツシロギクとプラセボによる無作為化試験を1カ月ずつクロスオーバー法により行いました。その結果、はじめの試験中ではナツシロギクは、片頭痛の強度を摂取前と比ベて減少させました。プラセボ対照クロスオーバー試験中では、頭痛強度、悪心、嘔吐の強さ、騒音と光に対する反応性が、プラセボよりも有意に軽減しました。